◆善行寺 豆知識◆

平常のおつとめ
 朝は一日のはじまり、夕べは一日の終わりです。心身の姿勢を正し、朝夕おつとめをしましょう。
 まず、ローソクに火をつけ、そしてお焼香をして、おつとめをします。一日の終り、夕べのおつとめがすみましたら、お内仏の扉をしめます。

 浄土真宗でおつとめをするのは、お経をあげて、それをこちらから阿弥陀さまに、回向(えこう)するというような心ではありません。いかにもまじめなようですが、つまりいってみれば阿弥陀さまを利用するのです。本当に、自己の一切をすてて、一切のことを阿弥陀さまのままにというようなことを、人間はしません。人間は、阿弥陀さまに何か注文があります。ですから、回向といいますが、本当の回向ではありません。回向とは、私達が阿弥陀さまに、何かをふり向けるものと考えていますが、親鸞聖人の言われる回向は、阿弥陀さまの回向です。

 人間の祈りは、本当の祈りではありません。本当の祈りは、阿弥陀さまが祈っておられるのです。心安らかな日ぐらしを願うならば、阿弥陀さまの教えに出会うことによって、はじめて迷うことのない、心安らかな生活ができます。

 お経とは、仏さまの教えです。私達を祈っておられる仏さまの祈りの心が、満ちています。心ひそかに、仏さまと共に起き、夕な夕な仏さまと共に伏す間柄となりますと、本当に難儀だと思われる世の中に、そのままで心安らかに、もっといい思案をもって生きていかれるのです。

 毎日、毎夕、大切におつとめをして下さい。また、一家そろって、おつとめをするようにしましょう。親のそうした生きる姿が、子孫の心に、何よりもかえがたい深い教えとなって、後の世にも輝きをますことでしょう。

◆善行事豆知識へ戻る◆





(C)ZENGYOUJI All rights reserved.